手術・治療のご案内TREATMENT
経皮的椎体形成術(PVP/BKP)について
経皮的椎体形成術とは
経皮的椎体形成術は、高齢者に見られる骨粗しょう症や、転倒による外傷などが原因で起こる脊椎圧迫骨折の治療法のひとつです。
従来、脊椎圧迫骨折の治療は、鎮痛剤の投与や、患部をコルセットで固定し、ベット上で安静する保存的療法が主でしたが、半年近くの入院・安静が必要で、それがきっかけで、寝たきりになったり、痴呆症状が生じる問題がありました。
それに対して経皮的椎体形成術は、局所麻酔のもと、切開せずに、針を刺すだけでおこなう手術なので、心身への負担が少なく、治療後の長期安静も不要で、数時間後には起き上がることも可能です。
経皮的椎体形成術の種類
大きく分けて、次の二つがあります。
PVP(Percutaneous
Vertebroplasty)
圧迫骨折により、つぶれた椎体内に、医療用のセメントを注入して、瞬時に補強固定し、痛みをとり、その後の椎体のつぶれの進行も抑える治療のことです。セメントを注入することから、骨セメント治療とも呼ばれています。
BKP(Baloon Kypoplasty)
BKPは、骨セメントを注入する前に、まずは丈夫な風船を挿入して、潰れた椎体内を整えてから骨セメントを注入する方法です。
風船を使用することで、椎体の外や、血管内や脊柱管内への骨セメントの分散や、誤注入がなくなり、安全性は向上します。

経皮的椎体形成術の特徴
治療の効果について
治療直後から、疼痛緩和が現れ、日帰りが可能です。
また、症状が劇的に改善する方も多く、車椅子で来院された方が歩いて帰られることも少なくありません。
対象となる症状
- 圧迫骨折が原因の疼痛・神経障害がある場合
- 骨粗しょう症や、外傷による圧迫骨折の場合
- 癌による椎体転移と診断され、腰や背中や下肢に疼痛がある場合
対象とならない病気
- 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、坐骨神経痛、頚椎症などの脊髄神経の病気
- 脊柱側弯症、変形性脊椎症、変形性腰椎症
経皮的椎体形成術のメリット
- 切開箇所が小さいので、身体的負担が少ない
- 痛みの早期軽減が期待できる
- 生活の質(QOL)の向上が期待できる
- 手術当日から歩くことが可能
合併症について
一般に経皮的椎体形成術は、安全性が高い事が認められていますが、骨セメントによる神経や、脊髄の圧迫による症状の悪化、骨髄炎、セメントの静脈への流出による肺梗塞や、ショック死の報告が稀にあります。
よくある質問
患者さまからいただく経皮的椎体形成術に関するよくあるご質問をQ&A形式でまとめました。
1ヶ所、約30分ぐらいで、複数箇所の場合でも1時間程度で終わります。
脊椎、腰椎以外の部位の骨折や、神経痛による痛みやしびれ、骨の変形による腰の曲がりなどです。
うつぶせになってじっとすることができない方、発熱している方、重い心臓病や呼吸器疾患のある方は治療できません。