人工股関節置換術（THA）について

人工股関節置換術とは

人工股関節置換術は、英語で 「Total Hip Arthroplasty」や「Total Hip Replacement」と表記されることから、略して「THA」や「THR」と呼ばれます。

QOL（生活の質）を高める手術療法

人工股関節置換術は、変形性膝関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死症などによって、傷んで変形した股関節を金属やセラミック、ポリエチレンなどで製作された人工の関節に付け替える手術療法のことです。

股関節の痛みの元を取ることができるので、関節の動きもスムーズになり、歩きやすくなる為、歩行能力が改善され、QOL（生活の質）を高める効果が期待できます。

股関節手術の種類

股関節疾患に対し、当院では「全人工股関節置換術（THA）」「人工骨頭置換術（BHA）」「関節形成術」「観血的股関節骨接合術（CHS）」「非観血的股関節骨接合術（CCHS）」をおこないます。

手術の対象について

以下のようなケースで、人工股関節置換術は適応となります。

• 変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死などの疾患により、股関節の変形・損傷が激しい
• 手術以外の治療（保存的治療）では、股関節の痛みが改善されなかった
• 股関節が動かしにくいため、日常生活に支障をきたしている

手術について

手術は、感染を予防するため、熟練した執刀医が短時間で確実におこなうので安心です。

まずは、太ももの皮膚を切開します。

損傷骨を切除して人工関節を骨に固定します。

続いて、十分に機能することを確かめてから、切開した部分を縫合します。

合併症について

手術前に主治医から、合併症について十分にご説明させていただきますが、稀に以下のような合併症が発生します。

1. 感染症（患部の腫れ、痛み、発熱といった症状）
2. 脱臼（関節がぬけてしまう）
3. 深部静脈血栓症（下肢の静脈内に血の塊ができる）

術後について

入院

入院期間は約1ヵ月程度で、術後2～3日程度で車椅子移動を、4～5日程度で歩行練習を始ます。

入院中は、理学療法士などと連携してリハビリテーションを取り入れ、入浴・階段昇降・畳の上での生活・トイレなど、日常生活における動作訓練をおこないます。

退院後

退院後は、定期的に経過観察をおこない、状態を確認します。